フジイ法律事務所 | 奈良県天理市の法律事務所

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担当事件の事例担当事件の事例

 

担当事件の事例(弁護士 藤井茂久)

私は平成31年4月で弁護士登録31年目に入ります。これまでに刑事民事合わせて数千件の事件を扱って来ました。どれひとつとして同じ事件はありません。以下に担当した事件のいくつかの概要を書いてみます。

労災事件

過労死が認定された事例

大手メーカーの中間管理職にあった40代の男性が亡くなる数年前から毎日6時間を超える残業を余儀なくされ土日も就業規則上は休日だが実際は土曜日はフル出勤、日曜日も緊急呼び出しで月2回以上出勤していたところ、ある日急性心不全で死亡した事案で最初労災申請が棄却され、審査請求、再審査請求とも棄却されたため裁判所に取消訴訟を提起したところ、一審は敗訴しましたが、控訴審になって労災が認定されました。遺族に当たる奥様にこの男性が得ていた年収相当額が生涯支払われることになりました。

脳梗塞の発症が労災と認定された事例

大型トラックの運転手が運送先の会社内で積み荷のロープを外すためにトラックの荷台に登って作業中に誤って地面に転落する事故を起こし、しばらくしてから手足のしびれをきたし受診したところ、脳梗塞と診断を受け、以後半身不随になって就労出来なくなって労災申請したところ、転落事故との因果関係を否定され申請が却下された事案で、審査請求も棄却されましたが、再審査請求で原処分が取り消しになって労災の障害保障給付が認められ、生涯事故前の年収に近い金銭が国から支払われることになりました。

食品加工会社に勤務していた外国人が、作業中機械の刃物に指を挟まれて指を損失する大怪我に会い、会社に安全配慮義務違反があったとして損害賠償請求をした裁判で会社が機械メーカーの説明書通りの使用方法を従業員に指導する義務を怠ったとして、勤務していた会社との間で賠償金を支払う和解が成立し、合わせて労災の障害補償年金も支払われることになりました。

医療過誤事件

医師の不作為の違法性及び死亡との因果関係が争われた事例

トラックの運転手が前に止まっていた大型トラックに追突し運転室がぺちゃんこに潰れ座席とハンドルに挟まれて運転内に閉じ込められ、且エンジンから火が出て背中に大火傷を負い、レスキュー隊によって病院に救急搬送された事案で、担当医が経験が浅く火傷の治療にのみ専念し、ハンドルで腹部を強打したため腹部の大動脈破裂による出血に気付かず出血死した事案で、早期に腹部エコーなどで検査を実施していれば出血に気付き
止血の措置をとっていたら死亡の結果を回避しえた相当程度の蓋然性があるとして病院に損害賠償を命じた判決を得たことがあります。

治療方法の選択が争点となった事例

良性の脳腫瘍の手術後、髄液漏が止まらずその手術によって出来た孔を塞ぐ手術を繰り返すも完治せず、最後に術例の少ない器具を使って穴を塞ぐ手術をしたあと、脳に菌が入って髄膜炎で死亡した事案の訴訟で、より使用例の多い器具を使用する方法をまず試みるべきではなかったかとして相当額の解決金支払いの和解をしたことがあります。

歯科医の抜歯術の手法が問題となった事例

医療過誤事件で親知らず抜歯の手術により親知らずの付け根付近を通る頤神経を傷つけ、知覚及び運動麻痺を生じさせた事案で 、医師はレントゲンを見誤り神経と歯が歯の根本で絡まっていて慎重に抜歯すべきなのに乱暴に抜いて神経を傷つけた過失があるとして裁判所からの提案で病院が賠償金を支払う和解をしたことがあります。

手術の手法が問題となった事例

手にできたガングリオンという腫瘤摘除の手術後反射性交換性ジストロフィーという難治性の疼痛症候群をきたした女性に対し医師の手術と術後のケアに慎重さを欠いた可能性があるとして解決金を支払う裁判上の和解をしたケースがあります。

交通事故の損害賠償事件

交通事故で頸椎捻挫や腰椎捻挫でしびれや痛みの後遺症が残ったのに自賠責保険で後遺症が認められなかった事案で異議申し立てで14級または12級に認定された事例があります。

自賠責保険で認められた後遺症の等級が低すぎるとして異議申立をして上位の等級に認定されて保険会社提示額を大きく超える賠償金が支払われたケースもよくあります。

死亡事件や高度の後遺症の等級が認定されたケースでは5000万円を超える高額な賠償金が認容されることが多いです。

労働者が通勤途中や勤務中に交通事故で怪我をした場合は労災保険と自賠責保険の両方に請求ができます。後遺症の等級も別個に判断され、認定される等級が異なるケースも時々あります。加害者が任意保険に入っていなくて支払い能力に欠ける場合には少しでも多く回収できるように可能な手段を講じます。裁判で後遺症が重い方の等級を前提で賠償金が認められた事例もあります。

名誉棄損事件

新聞社に名誉棄損が認められた事例

ある政治家の方が新聞紙に事実に反する記事を掲載されて名誉を害されたとして、その新聞社に対し損害賠償と謝罪広告を求めた裁判で最高裁判所まで争われましたが、請求が認められた事例があります。

離婚、相続など親族間の紛争

今や離婚は婚姻した夫婦3組に1組以上の割合で発生していますが、弁護士を利用される方の割合はまだまだ低いです。高齢化社会で相続の問題も多く発生し親族が激しく争うケースも少なくありません。当事務所では、離婚や相続のように親族が争う事件も多く扱っています。当事者同士では感情が先に立って法的な争点に絞った解決が困難な事例も少なくありません。弁護士を入れずに裁判や調停をされ、紛争が激化して裁判所の勧めでやっと弁護士に相談する人もいますが、なるべく早く相談されることをお勧めします。

贈与に関する事件

亡くなった女性が晩年介護をしてくれた姪の息子に複数持っていた家の1つを口頭で贈与して住まわせていたが死亡した後、晩年ほとんど付き合いのなかった唯一の相続人であるその亡くなった女性の息子から贈与を否定され、明け渡しを求められた裁判で、一審で勝訴したものの控訴審で書面に因らない贈与はいつでも取り消せるとして贈与の取り消しが認められ、敗訴しました。そこで上告したところ、建物引渡しによって贈与は履行されており、履行後の取り消しは認められないとして、最高裁で逆転勝訴した事例があります。

高齢者に関する事件

認知症になり、老人ホームに入所していた方が施設の職員が目を離しているすきに、一人で外出して行方不明になり数年経過しても見つからない事件で、施設が入所者の安全確認義務違反を認め、配偶者と子に慰謝料を支払い裁判外の示談が成立しました。

刑事事件

刑事弁護事件は私選弁護事件より国選弁護事件の方が多いですが、常時数件を担当しており、今まで数百件の事件を担当し、保釈許可を受けたり、勾留取消など身柄の早期解放に努めてきました。犯罪の種類は、窃盗、覚醒剤、道路交通法違反、傷害事件が多いですが、最近は詐欺事件も増えています。裁判員裁判事件も親族に対する殺人事件やタクシー強盗傷人事件、外国人による覚醒剤の密輸事件を担当しました。覚醒剤の密輸事件では一部無罪判決を得ました。